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第27話:customが複数になると習慣から税関に

ある英単語が複数形になると、別の意味を表すことになることは珍しくありません。

arm(腕)が arms になると「武器」に、interest(関心事)が interests になると「利益」に、なるのがその一例です。

なぜこのように突然、別の意味となるのでしょうか。

これら2つには特に関連が無い様に見えますが、実はこれらの意味の変化は理屈づけて考えることもできます。

arms の場合は「腕」がたくさん集まると、大いなる「武器」へと昇華していき、

interests も、いつの世も「関心事」であるお金を集めていくと「利益」が生じてくるというわけです。

このように、複数形の意味が単数のものとは異なるとはいっても、一定の関連性を読みとることは可能です。

 

ところが、custom(慣習、習慣)が複数形の customs になると、関連性をまったく感じない「税関、関税」という意味になってしまうのはなぜでしょうか。

実は、一見すると関連性のない単数と複数の意味ですが、「慣習、習慣」というキーワードで、接点が生まれているのです。

かつて、「関税」は有料道路の料金所で徴収する通行税を意味していたのでした。その道を習慣的に利用する人たちを対象とした税であるため、customs は「通行税」から「関税、税関」という意味に発展していったということなのです。

同じ「習慣」をキーワードに custom から発展していった単語には、習慣的に着ていた服装や衣装をさす costume があります。

ボキャブラリを強化しようとするとき、ただ単純にそのまま単語の意味を暗記しようとするのではなく、それぞれの関連性や語源、いきさつなどを含めて覚えるようにすると、とても覚え易くて忘れにくくなるものですね。

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