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トップ>英単語小話>女性からもらいたくない手紙 Dear John letter
欧米の英語文化の中には、直訳すると意味を取り違えてしまうようなものがいくつかあります。
ユーモアともブラックユーモアとも取れる、長い慣習からの不思議な一節たち。
例えば、
I received a Dear John letter from my girlfriend yesterday.
などと、欧米人の友人に告白されることがあったら、誤解しないように注意しなくてはいけません。
昨日、ガールフレンドから、拝啓、愛しのジョンという手紙を受け取ったよ。
と直訳した場合、正反対の意味になってしまうからです。
「Dear John letter」とは、
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実は、女性から男性への縁切りを通告する手紙のことなのです。
妻から夫へ履行を求める手紙、婚約中の女性からフィアンセへの婚約解消を求める手紙、ボーイフレンドへの絶縁状などのことを総称して、「Dear John letter」と呼んでいるのです。
本当は、ありがた~くない手紙なんですね。
「John」は男性の名前としてはとても多くて、いわばありふれた名前になります。それが絶縁状の比喩として使われ出したのは、第二次世界大戦のときからでした。
このころ、戦場に出征していた夫の帰りを待つ生活に、耐えられなくなった祖国に残された妻たちが、次々と絶縁状を送りつける現象が起こったのでした。
手紙を受け取ったアメリカ軍の兵士たちは、その内容を読んで愕然とし、そして憤慨しました。しかし兵役に一度出た身としては、戦争が終わるまではどうすることもできません。
そしてそれらのことに対して自嘲的に、この絶縁状に「Dear John letter」と命名したのでした。
それが、大戦以降も英語の一つの単語として定着し、今日へと至ったというわけです。
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