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can, be able to (2)「できる」の使い分け

can, be able to「できる」意味の違い、使い分け の続編です。
前回の can と be able to ニュアンスの違いの説明に続き、今回はある特定の語やパターンのときには、半ば自動的に使い分けるという内容について、まとめてみました。

I can 2

一般的に can を使う場合

①-1 主語がモノの場合
物や場所などが「~できる」というケースの場合は、can で表すのが一般的です。

・The motorbike can go fast.
 そのオートバイは速く走ることができます。

・This stapler can staple up to 100 sheets of paper.
 このホッチキスは100枚まで留められます。

・The theater can accommodate up to 5000 people.
 その劇場は5000人収容することができます。

①-2 受動態の場合
受動態の文の場合は、be able to ではなくて can が使われます。

・All products can be customized with your company logo.
 すべての商品に社名ロゴを入れることができます。

・All tickets can be purchased online.
 すべてのチケットはインターネットで購入することができます.

 

couldを使う場合

②-1 couldを使う場合
過去に持っていた能力を「〜できた」という場合は、一般的に could が使われます。

・I could walk when I was eight months old.
 私は生後8ヶ月のときに歩くことができた。

・He could speak Chinese when he was in China, but he can't now.
 彼は中国にいたとき中国語が話せたが、今はできません。(過去の潜在能力)

②-2 知覚動詞と一緒に使う場合
知覚動詞である「see, hear, taste, smell, feel」などの語と一緒に使って表す、過去の「〜できた」の場合も could を使った表します。

・We could hear the strange sound in the next room.
 隣の部屋で奇妙な音が聞こえた。

・We could see the beautiful lake from our room.
 部屋からは美しい湖が見えた。

be able toを使う場合

be able to を使う場合はというと、次の4つのケースがあります。

③-1 助動詞と一緒に使われる場合
can は will, would, should, must, may などの助動詞のあとに入れて使うことはできません。必ず「助動詞 + be able to」の形になります。will のあとに入れて使う場合は、will be able to のかたちとして未来の能力を表します。

・He will be able to swim soon.
 彼はすぐに泳げるようになるだろう。

・She will be able to speak English in a year.
 彼女は1年で英語を話せるようになるでしょう。

・We will be able to attend the meeting today.
 私達は今日のミーティングに出席することができます。

③-2 不定詞「to」のうしろで使われる場合
can は不定詞「to」のあとに入れて使うことができないので、この場合も必ず「to + be able to ~」のようにして表現する必要があります。

・I want to be able to play the guitar.
 私はギターが弾けるようになりたい。

・I want to be able to speak English fluently.
 私は英語を流暢に話せるようになりたいです。

③-3 完了形で使われる場合
現在完了形や過去完了形では、「have / had + 過去分詞」という形で表されますが、この「have / had」のうしろに can を持ってくることはできません。ここでも同じように、必ず「have / had been able to ~」の形で表します。

・He hasn’t been able to come back home early.
 彼はこのところあまり早い時間に家に帰れていない。

・I haven’t been able to connect my homepage since last week.
 先週からずっと自分のホームページに接続ができないのです。

③-4 過去のある特定場面の「〜できた」
過去のある特定場面で「〜できた」という1回限りの動作を表す場合には、can の過去形である could は使えません。この場合にも必ず be able to の過去形である was / were able to を使って表します。

・I was able to get some sleep on the plane this time.
 私は今回飛行機で少しだけ眠ることができました。

・He was able to find a new job in his home country.
 彼は故郷で新しい仕事を見つけることができた。

・She was able to make herself understood in English last nitht.
 彼女は昨夜は英語で用を足すことができた。(一回限りの能力)

追加説明

蛇足かも知れませんが、couldは、「過去に(継続して)それをする能力があった」を表すので、1回限りの経験に対しては使うことができません。

つまり、
I could swim well when I was in high school.
高校時代はうまく泳ぐことができた。
は問題ありませんが、
I could attend the meeting.
その会議に出席することができた。
のような例は間違いになります。

後者の場合は、
I was able to attend the meeting.
のようにbe able toを使うか、
I attended the meeting.
と過去形で表すのが自然です。

ただし、「~することができなかった」という過去の否定の場合は、could を使うことができます。(=couldn't)

was / were able to しか使えない、一回限りの動作・出来事を表す場合でも、否定形になれば1回限りの動作に couldn’t を使うことができます。

I couldn't attend the meeting.
もちろん、
I wasn't able to attend the meeting.
でもOKです。

いろいろ考えるよりは、人が「~できた」と過去形で表す場合は、be able to を用いるのが無難かも知れません。

最後に

あらたまって調べてみるととても奥が深い can と be able to 。
日本人からするとなかなかニュアンスがつかみにくく、その違いもわかりにくい語です。

be able to で表すべき場面で can を使っても、ほぼ間違いなく相手は意味を汲み取ってくれと思いますが、正しく使い分けができるようになれば、あなたも上級者の仲間入りです。

一度しっかり意識して、この can と be able to の使い分けに取り組んで、もう1段レベルアップを目指したいものです。
 
前編:can, be able to
 

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